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【皆様からのご相談内容と不動産鑑定士の回答】
新築マンションに入居する予定になっています。タワーマンションの11階で、隣接するマンションがあります。契約時には隣のマンションは11階からが景観が抜けているとのことでした。その事もあり、10階までの販売価格よりも11階からはかなり上がっています。それでも景観を重視したかったので11階で契約しました。
しかし建設される途中で、隣のマンションが完全に抜けていないのではないかと思い不動産会社に問い合わせてみると「腰の高さから抜けています。押印してもらう書面ではないが立面図でそのことを説明しました」とのことでした。実際いろんな書面を見せられていると思い、こちらも見てませんと断言もできずなんとなく納得する形で今日まできてしまいました。内覧会がもうすぐあるのですがやはり気になっています。
腰の高さから抜けていると言われても、人によって腰の高さは違うわけだし・・・
この時点で違約金なしの契約解除、もしくは販売価格を下げてもらうこと等はできるのでしょうか? その場合価格の値下げはどれくらいできるものなのでしょうか?
一生住む家のことですし、決して安い買い物ではないので納得できない中途半間な気持ちでは購入できないのでこんな入居直前になって悩んでしまっています。こちらでご相談していい問題なのかわからなかったのですが、もし何かいいアドバイス等あればどうぞよろしくお願い致します。
★不動産鑑定士【守田 実】からの回答
もう10年以上前ですが、京都で新築マンションを購入した者が、売買契約時にマンションの窓から、
京都のある有名な歴史的建造物及びその景観が見えるとの説明を売主から受けていたところ、
実際に建設されたマンションの窓からは他の建物の看板が眺望を遮っているため見えなかった。
このことは売主側の説明義務 違反だとして契約解除を求めた裁判がありました。
裁判では、売主の説明義務の必要性とその範囲が争点となりましたが、青田売り(未完成) のマンションの売買では、購入希望者は現物を見ることができないから、売主はその実物を見聞できたのと同程度にまで説明する義務があるとして窓等から視界 を遮るものがあるか否かについても調査、確認して正確な情報を提供するという売主の説明責任義務に違反があったとして、売主側に手付金等の返還及び精神的 苦痛に応じた慰謝料数十万円の支払が命じられました。
この判決では、不動産業者である売主には、未完成の物件を販売する場合には、買主が、完成したときの実物を実際に見聞きできたのと同程度にまで説明する説明義務があると いうことと、眺望や景観もマンションの売買においては重要な契約上の要素一つであとしたところでです。
宅建業法では重要事項説明書について詳細な記述が求められているところですが、時代の変化とともに、この部分の記載事項が増加しているように思えます。
この事案について詳細は存じ上げません。ただ、このような判例があったことは事実です。この判例を、ご自分の事案に照らしてみてご判断下さい。
重要なことは感情的にならず、より良い解決の道を選択することと思います。法律的なことは分かりませんが、行政機関の無料法律相談等で弁護士さんに相談することをお勧めします。
★不動産鑑定士【伊矢野 忠寿】からの回答
ご相談頂きありがとうございます。売買に関しては、往々にしてある話です。
まず、契約解除については、その問題によって目的達成が出来なくなる場合に可能ですが、住宅の購入では、住める状態にあるかどうかというレベルでの判断になると思われます。
眺望については、目的を達成出来ないとは言え無いでしょうから、契約解除は難しいでしょう。
次に、「話が違う」ということで値引きをすることが考えられます。
これについては詳細にお話しを伺わないとわからない部分が多いのですが、分譲会社が「説明した」として、質問者さんが引っ込んだとなれば、納得したと見られてもやむを得ない感じがします。
ただし、引き渡し前で、残金を払っていないのであれば、何らかのチャンスはあるでしょう。
中途半端な答えですが、あんまりはっきり回答するとまずい部分もあるので、控えさせて頂きます。